残念!短日夜冷処理のイチゴ(章姫)には、まだ花芽分化は起きていませんでした。
9月に入り、秋らしく涼しくなりました。
明日の台風18号に備えて、ハウスは完全に締め切りました。
幸い山梨は台風の直撃はなく、雨風とも少なそうです。
洪水や強風に見舞われた被災地の皆様には、心からお見舞い申し上げます。
14年の雪害で全てのハウスを失ったことをお思い出し、被災された皆様の気持ちが痛いほどわかります。
(私が被った被害は、ハウスと収入だけで、住む家は問題なかったので不幸中の幸いでした。)
9月14日は、8月25日に短日夜冷処理を開始した章姫と紅ほっぺの花芽分化を実態顕微鏡で検査するために、
農業技術センターに出かけました。
14年・15年・16年は、9月14日で花芽分化が確認できましたが、今年17年は、残念ながら花芽分化は確認できませんでした。
花芽分化が確認できなかった理由
1.17年は、14年〜16年の8月と9月のような、極端に雨が多いと言う異常気象でなかった。
2.山梨の通常の年は、9月17〜20日が花芽分化時期である。
3.今年は苗を理想的に大きく育て、元気な株に仕上げたので遅れ気味。(大きな株ほど花芽分化が遅れる)。
従って15日からの定植は延期して20日の定植開始とした。
一つだけ心配なのは、館長の理想の大きな株に仕上げたので花芽分化が大きく遅れることです。
19日から毎日、花芽分化を確認しながら定植時期を見極めることとした。
今年の山梨の秋への変化点は、9月1日と推定しています。
理由は、9月1日から明らかに最低気温・平均気温が4度ぐらい下がりました。
イチゴは、おそらく秋を感じて花芽分化を起こし始めていると推測されます。
しかし目で見える花芽分化期には到達していないと推定されます。
自然花芽分化のイチゴは、10月20日前後には、出蕾するかもしれません。
花芽分化は、小さい苗や定植時期の気候や肥料濃度などに影響されるので
確実なことは言えません。
2017年8月
日
降水量(mm)
気温(℃)
日照
時間
合計
平均
最高
最低
(h)
25
028
33
23.7
1.8
26
028.8
34.4
25.4
4.3
27
—
27.1
32.7
23.5
7.6
28
—
26.5
32
21.6
8.2
29
—
28.3
33.9
24.7
7.5
30
028.6
34.2
25.1
7.1
31
026.7
32.3
23.3
6.9
小計
194
232.5
167.3
43.4
平均
27.7
33.2
23.9
6.2
2017年9月
1
6.5
24.5
31
18.1
5.5
2
18
21.9
29.3
16.8
7.6
3
—
22.8
29.1
17.3
8.3
4
—
22.9
28.1
19.4
4.2
5
024.3
29.5
20.6
5.9
6
13
21.6
24
18.4
0.1
7
0.5
22.9
24.9
20.5
0.2
8
1
26
32.9
21.7
7.9
9
—
24.5
30.4
20.1
10.3
10
—
25
31.6
20
9.8
11
024.7
29
21.7
2.7
12
1
23.2
26.4
21
1.1
13
—
25.3
32.1
20.8
9.2
14
—
24.5
31.6
19.5
9.8
15
—
22.6
28.3
19.3
7.5
16
16.5
18.4
20.5
16.9
0小計
375.1
458.7
312.1
90.1
平均
23.4
28.7
19.5
5.6
先週は、出荷の準備の葉欠きや半短日夜冷処理の苗の葉欠きに追われました。
写真1.葉欠き前の出荷用苗。
写真2.葉欠き後の出荷用苗。
写真3.大きな苗の日陰で大きく育たなかった苗を一か所に集めて、時間をかけて大きく再生させます。
やはり、1割近く貧弱な苗が出来てしまいます。
写真4.花芽分化期の調査。
実態顕微鏡で検査して、写真のような花芽分化期が見つかれば、花芽分を起こしていると判断します。
館長の10万円前後の実態顕微鏡より技術センターの高価な顕微鏡が良いので、毎年お世話になっています。
写真5.8月30日に定植したかおり野が大きくなってきました。
まだ、葉欠きをして新葉を含めて3〜4枚に葉の枚数を抑えます。
写真6.かおり野に大きな出蕾が多数見られますが、全て除去します。
次の出蕾は、10月末から11月上旬でしょう。12月末に収穫出来れば幸いです。
写真7.17年9月20日の定植を待っている短日夜冷処理の苗。
写真8.昨年(16年)の同じ時期の短日夜冷処理の苗。
葉の大きさや通路の狭さ(苗が大きく、通路が狭くなっている)などから
17年は、16年をはるかに上回る大きな苗です
写真9.9月末の定植を待つ半短日夜冷処理の苗。
短日夜冷処理に比べるとまだ、苗は小さいです。
写真10.出荷待ちの章姫の苗。当館の苗に比べれば葉や株の大きさが小さいです。
ポットの大きさが違うので仕方がないです。